いずぬまコラム
豚肉の部位について
◆豚肉の部位について
私たちの食卓に身近なお肉、豚肉。
豚肉っていろんな部位があるけれど、部位別に並べられてもどうやって選んだらいいか分からない…という方はいませんか?
そんな方のために、豚肉の主要な部位についてまとめてみました!
特徴や豆知識、おすすめの料理などをご紹介いたします。
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■ロース 豚肉の王様! 贈答用にもぴったり
ロースは豚の背中の部位にあたり、日本人に人気の高級部位の一つです。
厚めに切ったものは贈答用にもよく使われており、伊豆沼農産のギフトでも、ロース肉を使ったラインナップを多数取り揃えております。
とんかつやステーキにする場合は、家庭で調理する場合は1cm程度の厚みのものがおすすめです。ただ、食べ応えのあるお肉を食べたい方には、2cm厚をおすすめしております。
そしてロースは、薄めに切れば生姜焼き、更に薄く切ればしゃぶしゃぶとしてもよく食べられています。
きめ細やかな赤身部分の外側に脂肪の層がありますが、この脂がおいしさの素。取り除きすぎにはご注意ください。
ちなみに「ロース」という言葉は和製英語で、英語の「ロースト(roast)」から来ているのだとか。一般的に英語では「loin」と訳されますが、日本語の「ロース」と完全に部位が一致しているわけではないようです。
おすすめ料理
厚切り:とんカツ、ソテー
薄切り:しゃぶしゃぶ、生姜焼きなど
■肩ロース どんな料理にも使えて、どんな人にも愛される
肩ロースは、豚の肩から背中にかけての部位。
適度に引き締まった赤身に、脂のサシが細かく全体に入っています。
肩ロースはそのバランスの良さから、どんなお料理にも使うことができる、まさに豚肉界の万能選手!
ブロックのままの調理もOK。厚切りもおすすめ、そしてスライスにすれば調理の幅がグンと広がります。
更にありがたいことに、脂身が好きな方にも赤身が好きな方にも好まれやすいのも特徴。豚肉が好きな人に肩ロースが嫌いな人はいません。
広い世代で食卓を囲む場合など、好みが分かれる場面でもみんながおいしく食べることができます。
おすすめ料理
ブロック:ローストポーク
厚切り:ソテー
薄切り:焼肉、炒め物、
他何にでも!
■バラ こってりとした濃厚な味わいが楽しめる部位
バラは豚の肋骨付近のお肉で、「アバラ骨」からその名前がついたと言われています。
赤身と脂身が交互に3層に重なっているので、三枚肉とも呼ばれます。
※ちなみに韓国の「サムギョプサル」という豚バラの焼肉料理がありますが、サムは数字の 「3」、ギョプは 「層」 、サルは「肉」という意味です。
脂身が多くこってりした味わいが特徴で、主にがっつり系の料理に向いています。
煮込み料理や汁物に入れれば、脂が溶け出し濃厚なうまみが出ます。
焼肉などの場合は、お好みで段差のある鉄板や網などを使い、余分な脂をOFFするのがおすすめ。
しゃぶしゃぶは脂がお湯に溶け出すため、うまみを存分に感じながら、あっさり食べられます。
ベーコンにも使われる部位ですので、ブロック肉から手作りする方も最近は増えているようです!
おすすめ料理
ブロック:チャーシュー、角煮、カレー、ベーコン
薄切り:しゃぶしゃぶ、サムギョプサル、肉巻き野菜やおにぎり、回鍋肉
■モモ 赤身好きにおすすめの部位
モモは、豚のお尻~足の上側の部位です。
運動する部位なので赤身が多く、ヘルシーであっさりしています。
適度な弾力があり、噛めば噛むほど深い味わいを楽しむことができます。
加熱の仕方によっては肉が固くなってしまったりパサついてしまいやすいため、
調理の際にはいくつかのポイントに気を付けてみてください。
しゃぶしゃぶは加熱時間が短く、肉に含まれる水分が逃げにくいので
お料理が苦手な方でもモモ肉をおいしく食べられる方法の1つ。
お湯に3~4回ほどくぐらせ、色がほんのり桜色くらいになった頃が食べ頃です。
また、スライス肉を使った炒め物などの際には、炒め過ぎに注意。サッと手早く仕上げ、塩分の入った調味料は後の方で入れるようにしましょう。
弱火でじっくり、低温で火が入っていくと、おいしく食べることができます。
ハムやローストポークは、ブロックのまま中心にゆっくり火が入っていくので、しっとり仕上がります。
ちなみにハムと言えば日本ではロースハムの方が一般的ですが、「ハム」は元々モモ肉のこと。ハムの本場と呼ばれる国々では、モモ肉は日々の食生活やイベント事には欠かせない食材なのです。
おすすめ料理
ブロック:ハム、ローストポーク
薄切り:しゃぶしゃぶ、炒め物
■カタ うまみが豊富でリーズナブル!
豚の前足、肩の周りの部位です。「ウデ」と呼ばれることもあります。
運動量が多くよく動かす部分なので、筋肉質で色は濃いめ。肉のキメが粗く少し硬めですが、多少の脂肪と筋があるので、煮込むとうまみがでます。
スーパーで「こま切れ」として売られているものは、カタ肉が多いようですので、
皆さん普段から気軽に家庭でお使いかもしれません。
また最近人気の、カナダの家庭料理「プルドポーク」は、カタ肉がぴったり!
ホロホロになるまで香味野菜と一緒に煮込めば、絶品お肉の完成です。
フォークで割いて、そのまま食べておいしいのはもちろん、
いろんなお料理にアレンジしてみてくださいね。
おすすめ料理
ブロック:プルドポーク
薄切り:シチューなど煮込み料理、炒め物
■ヒレ 豚肉の最高級部位、ヘルシーなのにやわらかい
ヒレはロース付近にある細長い棒状になった部位です。
豚一頭から800g程度しか取れないとされていますが、伊達の純粋赤豚の場合は更に小さくなります。非常に貴重な部位であり、味が非常に良いことから、豚肉の最高級部位とされています。
脂身がほとんどなくヘルシーであっさりとしているヒレ肉。
にも関わらず、とてもきめが細かくやわらかい肉質です。
肉の脂身が苦手な方や、スポーツ選手など良質なたんぱく質を欲している方、減量中の方などにも人気。
火を通しすぎると硬くなってしまうので、煮込み料理には不向き。
厚切りにし、カツやステーキなどにして食べるのが一般的です。
とんかつ屋さんでロースカツかヒレカツか悩んだ時には、ジューシーなカツを食べたい方はロース、あっさり軽めに食べたい方はヒレを選ぶといいと思います。
おすすめ料理
ひれカツ、ソテーなど
もっと細かく分けた場合の呼び方もありますが、
上に挙げたものが主な部位です。
お料理の際には、それぞれの部位の特徴をつかんで、
ぜひおいしくて幸せな豚肉ライフを楽しんでくださいね♪
「お歳暮」について深堀り!
◆「お歳暮」について深堀り!
「御歳暮」は、文字のごとく「年の暮れ」を表す言葉。
かつては、年の暮れになると日頃からお世話になっている人に
感謝の気持ちを伝えるご挨拶をするために訪問する「歳暮回り」が行われていました。
その時に持参する手土産のことを「御歳暮」と呼ぶようになり、
いつしか訪問の有無に関わらず、年末に贈るギフト全般を指すようになりました。
最近では、年末という忙しい時期ということもあり、
宅配便でギフトを贈り電話等で挨拶を交わして済ませる方も多くなりました。
しかし、特にお世話になった方やしっかり話をしながらのご挨拶が必要な方へは、
御歳暮を持参の上で相手方へ訪問し、直接顔を合わせてお渡しするようにしましょう。
「今年も大変お世話になりました。心ばかりの品ですがお納めください」など、
自分の言葉で感謝を伝えます。
その他にも、お歳暮の品物の紹介や、選んだ理由を添えると、
相手のことを考えて選んだことが伝わるので、ぜひ実践してみてください。
「お好きと伺いました」「ご家族にも喜んでいただけるかと思いまして」
「大変評判の品のようです」「地元で有名な歴史ある逸品です」など、
品物に関する言葉もあるとより印象的です。
「つまらないものですが」と謙遜しすぎるのは、あまりいい印象を受けない方もいますので、
やりすぎには注意しましょう。
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お歳暮の品代の目安は贈り先によって異なります。
■知人や友人、一般的な取引先など…3,000円
■両親、親戚…3,000円~5,000円
■上司やお得意様、特別にお礼を伝えたい人…5,000円~10,000円
御歳暮で10,000円を超える品物を贈るケースはあまりありません。
あまり高価な物を渡すと相手の方も負担を感じる場合がありますので、
もし特別な事情がある場合は、御歳暮とは別に改めて贈り物をするのがおすすめです。
年齢や立場、相手との関係性に合わせて、お互いに無理のない価格帯のものを選びましょう。
この他に、贈り物を発送する際には、別途送料がかかる場合がありますので、
その分も追加で予算として考えておきましょう。
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お歳暮は年末に贈るものですが、
その詳細な時期は、地域によって多少の違いがあります。
一般的に、東日本では11月下旬~12月20日前後、
西日本では12月13日~20日前後と言われています。
贈り物は相手のために用意するものなので、
贈る時期は相手が住んでいる地域に合わせるのが良いでしょう。
ちなみに伊豆沼農産がある宮城県登米市周辺では、
11月最終週~12月10日頃にまず贈り、
贈っていなかった方から思いがけずいただいた分のお返しを、
その後の10~20日頃の期間に贈っている方が多い印象があります。
相手との関係性にもよりますが、参考にしてみてください。
御歳暮をいただいた時には、お礼の挨拶をするのがマナーですが、
一般的には、お返しまではしなくてもいいとされています。
ただ、最近では慣例的にお返しをするようになってきていると感じます。
お返しをする際は、同じく「御歳暮」ののしを付けて贈ります。
金額は、いただいた物の半額~同額程度にします。
いただいた物より明らかに高額な物を贈ると、
相手の顔をつぶすことにもなりかねませんので注意しましょう。
こちらも地域により異なる場合もありますが、
宮城県登米市周辺では、御歳暮は2,500~5,000円がメインの価格帯となり、
お返しの際はいただいた物と同等の品を贈ることがほとんどです。
ただし、それを超える高額の物をいただいた場合は、
あくまで無理の無い範囲でですが、
半額~8割程度の物を返すことが多いようです。
御歳暮を受け取ったら、まずは、できるだけ早くお礼を伝えましょう。
配送で受け取った場合は、その日のうちにお礼の連絡をするようにします。
もし当日中が難しい場合であっても、遅くても次の日には必ず連絡をしましょう。
贈り主の方は、無事に荷物が届いたかどうかも気になるものですので、
そのためにも連絡は必須と言えます。
また、目上の方やかしこまった間柄の方へは、お礼状を書いて送るのが正式なお礼です。
その場合でも一旦電話でお礼を伝え、その後改めてお礼状を送りましょう。
自分の方が後から贈る場合には、品物にお礼状を添えて贈ればOKです。
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御歳暮に限らず言えることですが、贈り物は相手の生活スタイルや家族構成に合わせて、選ぶようにしましょう。
「そうは言っても悩む」「相手のプライベートをよく知らない」という場合もあると思います。
そんな時におすすめなのが、ハムソーセージの詰め合わせです。
子供から大人まで幅広い世代に人気で、
朝食でも活躍、お弁当にもぴったり、おつまみにしても最高です。
また、好みのサイズに切って食べるブロックタイプのものは、
見た目のボリューム感はもちろん、食べる人数を気にせずに贈ることができるため、
例え家族構成をよく知らない相手でも、気軽にプレゼントできます。
年配の方の中には、「御歳暮と言えばハム」という方もいます。
また、昨今は忙しい方も多い上に、コロナ禍以降は家で食事をすることが多くなったという方も少なくありません。
そんな方には、「焼くだけ」や「温めるだけ」で食事の用意ができる、
ハンバーグや味噌漬けなどのおかずになる品も喜ばれます。
冷凍庫にストックしておくと、食事の準備をする暇がない時でも簡単にできあがるため、
とても助かるという声をよくいただいております。
御歳暮の品選びとして、「冬」ならではの季節感もポイントに置くこともできます。
伊豆沼農産で、冬に特に売れるギフトが、しゃぶしゃぶです。
伊達の純粋赤豚のなめらかな肉質が人気で、
しゃぶしゃぶという調理の手軽さもあり、御歳暮にたくさん使われています。
また、冬は家庭で鍋ものを食べる機会も増えますので、
鍋の具材として楽しむ方も多いようです。
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そして、日本の贈り物文化に欠かせないのが、のし(熨斗)です。
のしを掛けることで、贈る側がどういった意味合いを込めているかを示すことができます。
のしにもさまざまな種類がありますが、お歳暮の場合は、
紅白の蝶結びの水引を選びます(「一般お祝い用」などと表示されていることが多いです)。
水引で分けられたのしの上半分には「お歳暮」「御歳暮」などを書き、
のしの下半分には、贈り主の氏名を記入します。
連名で贈る場合は、下半分の中央に、目上の方から順番に右から書くとされています。
連名で氏名を記入するのは、3名までが一般的。
それ以上の場合は、代表者のみの氏名や団体名等を記入します。
夫婦など、同じ家族として複数人で贈る場合には、苗字のみ記載したり、
苗字を1つだけ記載し、その下に名前を並べます。
贈り主の名前入りののしを掛けることは、
正式な贈り物であることを相手に知らせる意味合いもあります。
「そこまでかしこまらなくていい」「過剰包装をしたくない」という場合には、
最近では包装紙の上から貼るだけのシールのしも多く使われています。
「御歳暮」という表記と水引がデザインされているため、
贈り物の目的を伝えることができ、包装を解くのも楽なのでおすすめです。
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少し注意したいのが、御歳暮という名目を使わないケースについて。
御歳暮は年末に贈るものなので、タイミングを逃してしまいお届けが年明けになる場合は、
「御年賀」や「寒中御見舞」として贈ります。
「御年賀」は年明けから松の内までに贈りますが、
松の内は、関東では1月7日、関西では1月15日頃とされています。
松の内を過ぎてしまった場合は、「寒中御見舞」として贈りましょう。
また、相手や自分自身が喪中の場合、忌中期間とされる四十九日の間は、
御歳暮を贈らない方がいいとする場合もあります。
年が明けて松の内を過ぎてから、「寒中見舞い」として贈るのが無難かもしれません。
その際には、無地の短冊や奉書紙を使った、シンプルな包装を選びます。
熨斗(のし)や紅白の水引が印刷されていないものを使用するのがマナーですので、
そうした特別な事情がある場合には、ご注文の際にお気軽にご相談ください。
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いかがでしたでしょうか。
繰り返しになりますが、御歳暮はその年の感謝を伝えるためのツールです。
なんとなく形だけになってしまったり、
悩みすぎて憂鬱に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、
相手の方に喜ばれると贈った方も嬉しいですよね。
「今年もありがとうございました」の気持ちを形にする1つの文化ですから、
無理のない範囲での贈り物で、周りとの関係を大切にしていきましょう。
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お肉やギフト、年間行事など、伊豆沼農産に関連する豆知識や雑学のお話コラムを掲載しています。
「生ハム」と「ハム」の違い
◆「生ハム」と「ハム」の違い
お肉売り場で見かける「ハム」や「生ハム」。その違いについて、ご存じでしょうか?そもそもハムとは、豚肉や猪肉のモモ肉を、塊のまま塩漬けした加工食品のことを言います。
元々、英語の ham は「動物(主に豚)のもも肉」の意味でしたが、
「豚のもも肉を塩漬けにした加工食品」を指して使われるようになりました。
一般的なハムは、豚肉を塩漬けまたは塩せきしてから燻製して、
蒸す、ボイルするなどの工程で作られています。
一方の生ハムは、塊のまま塩漬けして作るのでハムの一種ではあるのですが、
その中でも、蒸したりボイルしたりといった加熱をせずに製造するもののことを言います。
ちなみに、日本のJAS規格において、生ハムというものの定義は無く、
塩漬けの後に加熱をせずに製造するハム全般を指してこう呼ばれています。
では、生ハムはどうして加熱しなくても食べられるのでしょうか?
それは、高い濃度の塩で漬込むことで、水分がゆっくり抜けて乾燥していき、
乾燥に弱い菌が繁殖できない環境が出来上がるためです。
そうして作られた生ハムは、生の豚肉を加熱して食べる時とは異なる、
旨味成分が凝縮して醸し出される豊かな風味が特徴。
日本でも、根本的な製造方法は違えど、しいたけや切り干し大根、するめなど、
生の状態から水分が抜けていくことで旨味成分が増し、
独特の強い味わいをダシとして楽しめる食品がたくさんありますよね。
また、塩漬けにしているため強い塩味が効いているものが多いので、
ダイスやフレーク状に小さく切り、調味料のような使い方をすることも。
もちろんそのまま食べてもおいしいですが、
料理のアクセントとしても、大活躍してくれる食材と言えます。
元々生ハムは、冷蔵庫などが無い昔、保存食として考案されたもの。
そのため、世界の空気が乾燥しがちな地域では、
お肉屋さんやハム屋さんなどの店先に吊るされるなど
常温で置かれている光景がよく見られます。
ただ、高温多湿の日本では、常温での長期保存には向いていません。
商品化されているものであれば、パッケージに保存温度が記載されているので、
保存する場合は必ず確認してください。
特にスライスになっているものやブロックで切り口が露出しているものは、
必ず冷蔵庫に入れて保存するようにしましょう。
開封したスライスパックは開封後は空気に触れないように、
ラップでしっかりと包んでから冷蔵庫で保存するのがおすすめです。
冷蔵庫に入れたからと安心せずに、なるべく早く食べてくださいね。
「生ハムは保存食だから常温で大丈夫だろう」と安易な判断はせず、
ベストな状態でおいしく楽しんでくださいね。